次論公論

 
07
 
「居酒屋の元気ねーちゃんは誰が育てた?」

2015/12/6付けの記事で影郎さんがこんな問題提起をしていた。
リンクを貼っておいたのでまずはご覧になって頂きたい。

http://kagero-dw.jugem.jp/

影郎さんはここで業界改革の為に特効薬がないのかどうかご自身の取組で苦心されている様子を語っている。

この文の中で出てくる人が僕なのかは定かではないが、少なくとも僕も業界改革に特効薬無しだと思っている。

例えばこの居酒屋のおねえさんが本当に売り子として優秀でバンバン売ったとしても、それで顧客満足は生じるだろうか?

僕は違うと思うし、影郎さんも文中で指摘しているが、達人が集まって催事をやったら面白いと思う、だが顧客のニーズは貪欲だ。もしもその最高のサービスをやったらもう他のお店では買いたくなくなる。つまり催事は最高に良い物を顧客に報せるという意義は有っても、現実にそんなお店は存在しないという事実を僕らと顧客に叩きつける事になる。

何故か?

それはこの業界に生じる顧客満足の基本的メカニズムを知る必要がある。

ここは次論ではあるが?

眼鏡にはまず、

ファッション



ファンクション

そして価格

この三つの大きな顧客満足を左右する要素がある。

ファッションとは、流行、コーディネート、フレーム色と肌との相性。フレームと顔の形状の相性。

ファンクションとは、僕は眼鏡は大別すると五つの機能に類別されると言ってきた。耳タコ話で恐縮だが、それは以下の通りだ。

フレーム/レンズ/検査/加工/フィッティング

価格は、読者の方々は眼鏡の価格って何でこんなに差があるの?と思うかもしれないが、差があるのはこの業界だけでなく、むしろ価格差がなく守られていた以前の業界の方が僕は異常だと実は思っている。

食べ物だって、数万円のコース料理もあれば、ファーストフードもある。

衣類はユニクロが最たるものかもしれないが、ああいったファストファッションもあれば、ナショナルブランドでは数十万円のコートやスーツもある。

多様な価格帯があるが故に懐が深く、多様なニーズを受け止められる業界になれると僕は思っている。

だから、プライスショップの出現はある意味仕方なく、ある意味必然で、眼鏡初心者の入り口として機能すれば良いと思っている。そしてそこを卒業して眼鏡に楽しさを見いだした人は、自分の趣味に合った眼鏡屋さん選びをまた楽しめば良いと思っている。

では眼鏡もやっと多様な価格帯を揃えられる「まとも」な業界になったとするならば、その価格はどうやって決まるのだろうか?

ここは消費者の方々も知っておいて欲しい。

まずは仕入れ原価、沢山作ったものは安くなり、少量で流通ルートを絞れば価格は上がる。産地の人件費の差も勿論存在するが、まずは生産量による原価の差は大きい。だが大量発注出来る商材というものはある程度売上が見込める物に限定される。つまり新しいデザイン処理や手法に取り込みにくい。だから既存の商材を少しだけ変えてうちのオリジナルです。と販売するのが一番楽だろう。

ともかく、面白い物、変わった物、新しい物。こういった物は常に(最近のJIN´S MEME等の逆に大量に作らなければ普及価格帯に落とし込めない物は逆に大手にしか作れていないのが現状)ハウスブランドから出てきていると言っても差し支えない。従って面白い物を求めてうちのお店や個人経営のお店に眼鏡好きな方々は集まってくる事になる。

仕入れの話はその程度にして、次は地代だね。

銀座でやるのか、地方でやるのか?ここでも固定費がその土地によって違うのだから、粗利の計算の為にはここを考慮する事になる。

次は手間賃。

眼鏡を一本販売するのにどれだけ手間を掛けるの?

ここがもしかしたら大きなポイントかもしれない。

これも何度も本ブログで出てくるが、眼鏡のフレームもレンズも、メーカーが卸し、店頭に並んでいる状態ではそのどちらも半製品になる。

それを

検査して度数を決定し、

枠の形とレンズの形を極力イコールに近い状態まで削り、焦点の位置と視線が極力一致する様に位置決めする加工を施し、

最後にお顔に乗せて、顧客の骨格に合せてフレーム形状を変化させるフィッティング。

この三つの手間を小売店では施す。

お米に例えると分かり易いかもしれないが、

お米の生産者はフレームとレンズメーカー

食堂は眼鏡の小売店になる。

生産者がどんなに良いお米を作ってもその炊き方を小売店が間違えたら台無しになるのが眼鏡で、それが眼鏡という商材の本質だと思う。冒頭の影郎さんの話に戻るが影郎さんがどんなに良いお米を生産しても僕らがその炊き方を間違えたり、その販売方法を知らなかったら台無しになる。

だから、影郎さんは業界の改革が自分の利益にもなる事を分かった上でご発言されているのだと僕は解釈している。

では眼鏡を上手に炊くにはどうしたら良いのだろう?

例えば、上手にお米が炊けるようになる。影郎さんの言葉を借りれば達人になるのにどの位の年月が掛かるのだろう?

僕は一生涯掛かっても極まったなんて言えないと思う。

これが僕の眼鏡業界の改革に特効薬は無いと思っている根拠なのだ。

僕はプライスショップが業界の技術レベルの底辺なのだとしたら、そのピラミッドの頂点を目指したいと思っている。だがその頂きに辿り着くのに何年有ったら良いのだろう?

また頂きは無理だとしても平均点をマーク出来る眼鏡士を育てるのにどの程度掛かるのだろう?

これはトレーニングする側とされる側、更にトレーニングマニュアルそれぞれに差があるのが前提で、一概には言えない。だが今グラシアスで丁稚奉公しているK君はうちのお店に来て半年で、プリズム処方迄出来るだけの検査スキルは身に付けて、ツーポイントの加工以外は時間は掛かるが殆どこなし、フィッティングが一番研修ペースとしてはおそいが未だにそこはまだ満足にこなしていない。

彼が優秀だから半年でそこまで行けたのか、それともグラシアスの研修メソッドがわりと良かったのか?

ともかく半年でそこまで行けたのは異例と言えるし、全行程任されるまで5年掛かるなんて話は他所のお店ではざらに聞く。ただしここで言えるのは5年掛かっても一人前には程遠いという事実を消費者の方は知って欲しい。

それ程までに一人前の眼鏡士を育てるには時間=コストが掛かるのだ。

つまり業界の行くべき道を業界の先駆者の方が道しるべを作ったとしてもその方向に方向転換するのにも長い長い時間が掛かる事を前提に話した方が良いと僕は思う。

ちなみに

過去の業界では、単価アップと複数本所有という特効薬に見える処方箋をきった為に、業界は廃れた。

特効薬に見えたその薬は実は毒まんじゅうだったというのが僕の見解だ。

顧客から単価を上げてむしり取り、必要無い方に無理やり売りつける。

こうして顧客から奪い取った分、この業界の市場規模は縮小していったと僕は分析している。

大切なのは顧客に何を与えられるのか?

この業界の改革にはその観点が必要で、与えたい物が見つかったとしてもそれを出来る様になるのには、多くのケースでは時間が掛かる。だから焦らず一歩一歩が遠回りに見えて近道だったとなるのでは?僕は思う。

最後に一つだけ言える事は、影郎さんは真剣にこの業界を何とかしたいと考えている。でもそれすらせずに絶望する。これが一番まずいと思っている。この業界に携わる誰もが現状に危機意識をもち、変革したいと願う事が、何より業界の改革の為に必要であると僕は思うのだ。

 
22
 
先日ネットを見ていたらアインシュタインさんの有難いお言葉がそこに置いてあった。アインシュタインと言えば、先日僕がブログで書いたゆらぎと相対性理論という記事でお名前を拝借した。人の眼に限らず人体にはゆらぎが存在し、一点に留まらず、かつ検査理論は人の生活習慣の変化に応じて常に変化しなくてはならず、それは人の眼と生活習慣は相対的であるべきだとお話しした堅そうなお話しである。

そんな僕は常にこんな事を考えている、僕は検査理論は未だ完成に至らず、既存の理論では解決できない事例がいくらでもあると僕は言ってきた。解決の定義を視力を出すと言えば、もう少しシンプルだが、人の眼は心や体とも密接にリンクしている。つまり眼の不具合がどこに不定愁訴として出てくるか、ここには議論の余地が多いにあり、未開の分野と言って何ら差し支えないと僕は思っている。つまり眼だけみて、眼が分かったとは到底言えないという事になる。この現在の僕なりの考えに行きついてしまうと僕は途方もない道のりをこれからも歩き続けると自覚し、そして一歩一歩行こうと覚悟せざるを得なかった。そんな僕の心境を端的にあらわしている言葉に出会えたのだから、その僕の喜びはいかようかと読者の方々もご理解頂けるだろう。偉人と言われている方々は皆、こういった境地に辿りついているのだなと今更ながら感心させて頂いた。

ではありがた~いお言葉をご紹介したい。

「何も考えずに権威を敬う事は真理の最大の敵である。」

どうか皆さんも分かったと思わずに今自分の見えていないところに真理が落ちていないか目を配ってみて欲しいと切に願うのである。
 
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07
 
昨日から新聞社さんの取材により各紙でレチルドのコンセプトが報じられている。利き顔(RモデルとLモデルを用意した)に合せてメガネをチョイスする事でお顔に馴染ませる、いわば利き顔文化を普及させる事が究極的な目標になる。

ではその利き顔をどうやって判別するのか?

 
26
 
今日は気がのったので文章が長いよ。

お陰さまでグラシアスがおぎゃ~と産声をあげてから10年の年月が流れ、開店当初は予想すらしなかったプリズム処方の大切さと斜位そのものがどなたにでも存在する「ずれ」であると気付きを頂き、それからは懸命に両眼視機能検査の大切さを訴えてきた。

僕が言ったからなのか、それとも時代が求めていたのかは不明だが、ここ数年はネットで両眼視機能検査とググれば、多くのお店がそれぞれのHPでその検査の大切さと有用性を訴えていらっしゃる。

そして僕はと言えば、この検査法を師匠から教わり、それを更に普及し広めていこうと決意したのであったが、いざ普及をさせようとすればそれには確固たる検査の理論付けが必要になると感じ、そのエビデンス作りに日々勤しんでいる。

今日のお話しはその理論のお話しなのだが、僕は検査法の構築も大切だが、それと同様に被検者(顧客)の生活環境に眼鏡の度数を調整する事が大切だと言ってきた。これはどういった事を意味しているかというと実は大変な問題提起をしている。

眼鏡屋の店長のブログです。

初めていらした方は、最初に僕の【プロフィール】を見ていただくと僕のスタンスが分かるかと思います。

また業界用語が数多く出てきますので、その場合は【次論公論用語解説】をご参照下さい。

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