次論公論

 
04
 
少し前に兵井さんの手がけるブランド、コンセプトYが番組で紹介していただき、グラシアスも、そして実は僕もチラッと登場させて貰ったご縁から日曜の朝は、ドラゴンボール改からワンピースという一連の流れだったのが、ここ数か月は8:25分に起床しすぐにサキどり、その後朝のシャワー、そしてワンピースというルーチンに変化した。

今日も眠い目をこすりながら見始めたのだが、この番組はそんな眠気はいつも吹き飛ばしてくれる。今日の特集は農業についてだった。

常々僕は日本の農家の作る農作物は日本人ならではの日本人にしか作れないオンリーワンになれる。そしてそれを高めていけば日本の作物はジャパンブランドとして日本国内全域に行き渡るだけでなく、世界中の富裕層に好んで食される嗜好品にきっとなれると思っていた。

今回の番組では

「みずほの村市場」⇒そのサイト

という市場が特集で紹介されていた。この市場には様々なルールが有った。その内の一つを紹介すると、後発の農家は既存の農家の作物よりも安い値段をつけてはいけない、これにより単純な価格だけの勝負ではなく、純粋な作物の出来で勝負するというポリシーが見てとれる。これは番組からの受け売りだが、通常農家がスーパー等に卸す時には価格はいくらと卸値が決まっているそうだ。いくら農家側が高品質な作物を作りたくとも、売る側がそんな高額な商品は売れないとでも言わんばかりだ。実際に通常の倍の値段を付けたきゅうりが飛ぶように売れるかと言えば、実際には安い商品の方が量は売れるだろう。そしてその品質のグレードによってピラミッドが出来上がる。これは別に農作物に限った事ではない。

これをそのまま眼鏡に当てはめても同じことが言える。僕のお店は世間の眼鏡一式単価よりも高額な設定になっている。事業を継続する為には最低限必要な利幅を確保しようとしている。量を売らない、若しくは売れないと僕は判断しているのだから利幅が必要だという事だ。

今日の番組内でも言っていたがこのみずほの村市場は最高のステージである。そしてそのステージには最高の品質の作物が上がる。全国に流通している農作物において、この様な品質であり売価の作物の売上に対する構成比率はきっと微々たるもんだろう。だがその頂きがどんどん高みに向かう事で底辺の食材も底上げされる。そしてそれは眼鏡にもそのまま当てはまると僕は思うのだ。

こうして書くと自分が頂きに居て世間を見渡しているように聞こえるかもしれないが、そんな事はなく僕は業界ではまだぺーぺーだ。だが日本で両眼視をやっている方が6年前では少数派だっただけで、半歩だけ先に始めたからその駆け出しが始めた検査でも武器になっただけだ。実際には僕より数段レベルが上のお店は枚挙に暇がない程なのだがそれでもその先駆者の方々の売り上げのお店の全てを合算しても業界の中ではマイノリティーに類別される。

僕が残念に思うのはそうやって真面目に取り組まれているお店にスポットライトが当たらずに業界でも主流とならない事を悔しくも思っている。眼鏡業界に関してだけ言えば、業界内で一致団結とはいっていない所になかなか大きなうねりが作れない原因だと分析している。ピラミッドが複数個あり、頂きが数多くあるという事だ。これは今後の課題で僕は今は群雄割拠で良いと思っている。その後皆で議論しコンセンサスの一致をみる。今はその過程が必要だと思っている。

市場の話に戻るが、日本の眼鏡業界の生産者もこの小売の売れる価格帯という要望に応えようと四苦八苦している。本当はこんな物を作りたい。だがそんな高い品は売れない。だからもっと価格を下げろ。取引先の小売店が大手になればなるほどにその要求は厳しくなる。作っても儲からないならましだが、作っても赤字、中国との相見積もりのケースではそんな厳しい取引だってあるそうだ。そして今年に入って東京で唯一残った眼鏡工場が倒産した。その工場も最後は大手小売店と取引し経営を苦しくさせた。

だからこそ小売店は価格に対する顧客との信頼関係を再構築しなくてはいけない。そして高いフレームやレンズには生産者(開発者?)の思いやアイディア、知恵や技術、様々なノウハウと手間があり、その思いを反映して作られている。だから僕は僕の取引するようなメーカーさんやデザイナーさんが作っているフレームに関しては価格交渉をした事が無い。またデザイナーさんにいくら位が売れ筋と聞かれる事もあるがそれにはこう答えている。

「売れ筋なんてありません、手間暇掛けて作られた本当に素晴らしいものだったらいくらでも売れると思います。だから日本でしか作れない素晴らしい商品を開発してください。」

こう言っている。だから決して安くは無いグラシアスのフレームやレンズを見て高いと思うのは仕方がない。だが鯖江の職人さんで一つの工程一個で数十円なんて価格で自分の技術を売りにせざるを得ない人も居る。中国との競争で鯖江そのものが疲弊している。だから最新の工作機械だって入れられない。

だから職人の技に頼らざるを得ない側面をある事を分かった上で高いか安いかの判断をして欲しいと思うのは僕の我が儘だろうか?

今回のサキどりを見ても分かるように工業製品であろうと農作物であろうと日本の物作りに関するこだわりは国民性とも言えるし、そのノウハウの蓄積はきっと日本にとっての武器になると思っている。鯖江の職人さんを守り育てると言うと矮小に捉えてしまうかもしれないが、良い腕を持った工場や職人を育てる事は、世界に誇れるプロダクトを輸出出来る事を意味している、つまりそれは外貨を稼げて日本を豊かにする立派な国益であると僕は言い切りたい。

誰かの為にではなく自分の為に良い技術を持った方を応援する気持ちが求められているという事だ。

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