次論公論

 
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やっぱり更新が滞ってしまいました。言い訳をすれば腕の怪我でキーをタイプ出来なかったとも言えますが、何より頭に降りて来ないのです。どうか気の入らない文章を書く事が苦痛ならばそれを読む読者の方々の辛さもあるかと思いますので何とか更新出来る様に頑張りますが毎日の更新が出来ずにいるこの現状にご理解頂ければ幸いです。

今日の議題は先日の続きです。

日が空いてしまったので過去のログを貼っておきますのでご興味ある方はご覧になってくださいね。

最初が肝心。

前回途中で終わっている記事なのですが、この9才のA君(仮称)はレフで見ても近視、眼科医のだした処方箋も立派な近視、そして僕が検査したレッド/グリーンの視標による結果も近視とでています。

ですが今回僕は近視と結論付ける前にもう一段階探りを入れようと思ったのです。どうしても引っかかる事があったからです。

それは遠点の測定値が検査結果と符合しないという事でした。

【レフという簡易に測定出来る機械での測定値】
RS-1.50 C-0.50 AX83
LS-1.50 C-1.00 AX95

【裸眼視力】
RV=0.15
LV=0.2 両目で0.2

【完全矯正値】
RS-1.75 C-0.50 AX80
LS-1.50 C-1.00 AX95

この検査結果だけを見て皆さんはどんな眼鏡を作ったと感じましたか?近視をもうちょっと弱くして作成しますか?その方が手元は楽かもしれませんね。ところが処方箋はこんな度数でした。

【処方箋】
RS-1.50
LS-1.50 両目で1.2

近視の度数だけで言えばほぼ完全矯正値、目一杯の度数でした。多分こんな眼鏡を作れば半年も経てば度が進んだとご相談にいらっしゃるでしょう。そして近視がどんどん強くなるのです。

僕はそれを最悪だと思っています。眼鏡屋の経営としてはその方が儲かります。ですがそれを僕は言葉をきつく言えば悪魔の選択だとさえ思ってしまいます。別にここで眼鏡屋という職種が半医半商だとか言うつもりではありません。100%商売人としてだけ考えても顧客の健康を願い、顧客に満足を与えた結果が僕らの成績=売上になると思うからです。

今回のA君のケースは遠視の潜伏を疑っていますが、それなのに安直に近視の眼鏡を作ってしまう事に僕は躊躇いを感じているのです。そしてそれは僕の良心にも傷をつけるでしょう。あそこでこうすれば良かった等と後悔もしたくありません。

そんな僕の想いは置いておきますが、ともかく僕は今回の遠点の測定値がおかしいという一点にのみフォーカスし遠視の眼鏡を作る事に決めました。その度数は以下の通りです。

【今回作成した度数】
RS+1.50 プリズムベースイン1.50度
LS+1.50 プリズムベースイン1.50度

先程から遠点遠点と連呼していますが、遠点とは何でしょう。簡単に言えば遠視であっても近視であっても度数の強弱で焦点距離を調整する事が可能になります。老眼鏡とはその焦点距離を手元に寄せた状態の眼鏡を指します。例えば正視(近視や遠視や乱視の屈折異常が無い人の事。まるっきりの正視の方は殆どいらっしゃいません。多くの方は多少の屈折異常がありますが、自覚が無いのです。)の人が出来あいの老眼鏡で+1.00という眼鏡を掛ければ遠点は1mに設定されます、そしてその1mが遠点となるのです。その遠点がこのA君の場合はおかしかったのです。

実際に作った眼鏡での遠点は50㌢この場合は+2.00加入(先程の事例で+2.00の老眼鏡を掛けると遠点は50㌢になります。)した計算になります。もしもA君に処方箋の結果や僕の出した既存の検査法による結論、近視という物が存在したとしますと

近視が-1.50有るとするとそれに+1.50の眼鏡を掛けさせたのですから合計+3.00の度を加えた事になりますが、そうすると遠点は33㌢になる筈です。ところがA君は先程述べた通り50㌢先まで最高視力が出たのです。ここがどうしても僕は腑に落ちなかったのです。つまりこの遠点の測定が正しかったと仮定すると遠点が50㌢になる為にはA君の近視は-0.50D程度しかない筈なのです。つまり+2.00から+1.50を引いた数値が予測値になります。ここでもう一つ疑問が浮かびます。A君の裸眼視力は0.2です。ところが-0.50程度の弱度の近視で裸眼視力が0.2という結果は有り得るのでしょうか?斜位が特に悪戯したり、疾患が無ければ、もしも-0.50程度の近視であれば視力は下手をすれば両眼視力で1.0出る事さえあります。にも関わらず裸眼視力は0.2でした。実際に今回斜位は矯正したので遠方で固視ずれがあった事は間違いないでしょう。それにしても裸眼で0.2はあまりにも測定値として低すぎるのです。

ではこういった時に何を疑うのでしょう?A君は眼科に掛かっています。ここで処方箋が出た時点で疾患は無く屈折矯正で視力を矯正して良いと僕はお墨付きを頂いたと解釈します。そして近視を矯正すれば視力は改善します。ですが今まで説明してきた経緯からすれば、近視を矯正する事のリスクを僕は感じました。

そして僕は弱度の近視であればもう少し視力は出てもおかしくない、では何がA君の眼に起こっているのだろう?と考えると遠視の潜伏なのです。そして遠視+外斜位はやばい組み合わせであるというお話しは次論公論では既に耳タコ話ですね?A君の視力低下はこの遠視の潜伏の可能性を捨てきれず、そしてその遠視の眼鏡で視力が改善すれば今回作成した眼鏡は近業作業用に使っていただき、普段は裸眼で過ごして頂きます。これがパターン1です。

ですがそれで裸眼視力も改善せず、どうしても黒板の字が見えない等普段の生活で困るというのであれば一か月検診で経過を見て度数を近視に変えて再作成にしようと腹を括ったのです。処方箋度数は明らかに強すぎるので両目で0.6~0.7程度になる度数で小学生が普段の生活にはそれ程困らない筈です。グラシアスの保証期間は一か月ですので再作成分の費用は僕が持ちます。そこまでやるから腹を括るとまで言うのです。これがパターン2

ですが実はパターン3もあるのです。それはこの眼鏡を掛けて視力が1.0と出るパターンです。それは遠視の潜伏が有ったというケースで、それが綺麗に炙り出されるとこの焦点距離を手元に合わせた筈の眼鏡でも遠用視力が出るのです。またプリズムをベースインでいれる事も、その遠視の炙り出しを狙った際には有効であるという事も一言加えさせて頂きます。外斜位の方がその状態では遠方で複視を起こしては困ると黒目を内側に寄せます。そしてそこで調節が発生します。そして黒目を内側に入れる運動は調節と連動していますので遠視は潜伏するのです。それを防ぐ為にも今回はプリズムを入れたのです。

このご報告がどこかのお店の

 どなたかのお役に立ちますように

          プリズム滋郎より。

登録店の方々へ~今回の度数データーをいつものサイトに今日中に投稿しておきますのでご興味ある方は明日にでもご覧になってくださいね。

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